創業初期のスタートアップにとって、「最初の顧客」の獲得は、今後の事業成長を左右する極めて重要なステップです創業初期スタートアップが「最初の顧客」を獲得するための実践的営業戦略と外部サポートの活用法
創業初期のスタートアップにとって、「最初の顧客」の獲得は、今後の事業成長の行方を左右する最重要ステップです。しかし実際には、創業者はプロダクト開発、資金調達、チームビルディングなど、やるべきことが山積みで、営業活動にまで手が回らないというケースがほとんどです。
本記事では、限られた人員と営業ノウハウの中でも、実際に成果を出すための営業戦略を具体的に解説します。さらに、リソース不足を補う手段としての「外部営業支援」の活用法についても、実例を交えて詳しく紹介します。
なぜ「最初の顧客」はこれほど重要なのか?
最初の顧客は、単なる売上の起点ではありません。以下のように、スタートアップのあらゆる面に好影響をもたらします。
- 製品フィードバックの源泉
初期顧客はプロダクトの使い手として、最もリアルで貴重な改善点やニーズを提供してくれます。これにより、方向性のズレを早期に修正でき、プロダクトの磨き込みが加速します。 - 営業・マーケ資料としての活用
実績として「導入企業A社の声」などを掲載できれば、他の見込み顧客への説得力が格段に上がります。特に、同業種・同規模の顧客を紹介できると強い信頼につながります。 - 投資家へのアピール材料にも
最初の顧客が大手企業だったり、業界での知名度が高い場合、調達ピッチでも強力なエビデンスとなります。
ターゲット顧客の絞り込みと明確なペルソナ設定

創業初期の営業で最大の失敗は「全方位にアプローチしてしまうこと」です。狙うべき顧客像を徹底的に絞り込み、ペルソナを明確にすることが最初の一歩です。
具体的なペルソナ設定の要素
- 業種・業界(例:人材業界、物流業界)
- 企業規模(例:従業員50人以下の中小企業)
- 担当者の役職(例:営業部長、経営者)
- 抱えている課題(例:顧客対応が属人化している)
- 情報収集手段(例:X、note、セミナー参加)
ヒント:既存のつながりから仮ペルソナを立てる
たとえば、創業者の前職や人脈に「興味を持ってくれそうな企業」があれば、それをベースに最初の仮説を立てるのが効率的です。
創業期に実践しやすい集客施策:SNSと紹介営業

広告予算が限られる創業期においては、以下のような低コストチャネルをフル活用するべきです。
SNS(X、LinkedIn、noteなど)
- 業界向けの有益情報を定期発信し、自社の専門性を見せる
- フォロワーとコメントで関係性を構築し、DMで個別にアプローチ
- 共感や話題性のあるポストで話題化 → 拡散 → 商談化へ
事例①:業務効率化SaaSのスタートアップ企業(従業員20名)
プロダクト開発に集中していた代表からの相談を受け、リアボルドが営業戦略の立案から支援を開始。以下の施策を実行:
- ターゲット業界の仮説構築(バックオフィス業務の多い業種に絞る)
- 営業スクリプトの設計・改善(ヒアリング重視型にチューニング)
- アウトバウンド営業を20件実行し、初月で3件の商談を獲得
1社と有償PoC(概念実証)契約を締結。これが他社提案の営業資料として活用され、2ヶ月で導入社数が4社に拡大
紹介営業
- 元同僚、投資家、士業、起業仲間に「紹介依頼」する
- テンプレートを作り、紹介者が動きやすいように配慮する
紹介依頼テンプレ例
「○○業界向けの課題解決型サービスを立ち上げたのですが、もし周囲でお困りの方がいたら、ご紹介いただけませんか?1回30分の無料相談から始めています。」
創業者自らが行う営業の重要性と実践ポイント
営業は創業者が「手を動かすべき最後の砦」と言っても過言ではありません。
なぜ創業者が営業をすべきか?
- 顧客の反応を直接感じ取れる(ニーズ、温度感、言葉づかい)
- プロダクト改善やピボットの判断材料が得られる
- 創業者自身が熱意を持って伝えることで信頼感が高まる
実践ポイント
- 「売り込む」より「聞き出す」
ヒアリング重視で「課題→理想→現状ギャップ」を探る - 1社1社に時間をかける
量よりも質。初期は1件の商談から5つの学びを得ることを目指す - 仮説を検証する意識で
「この機能は刺さるはず」という仮説を持ちつつ、話を聞いて答え合わせをする
営業にリソースを割けないときは外部の営業サポートを活用

営業経験がない、手が回らないという場合は、営業支援のプロを活用するのも有効な選択肢です。
営業代行の活用メリット
- プロの視点でペルソナ設定・訴求メッセージを改善できる
- 商談獲得(アポ)までを代行してもらえるため、自社はクロージングや関係構築に集中できる
- 早期に「営業体制の型」を構築できる
事例②:地方自治体とスタートアップ企業の連携事例
地方自治体とスタートアップ企業の関係構築が課題だったが、リアボルドが持つ自治体向け営業ノウハウと親和性のある事業体をヒアリングし、マッチング
同業界の他スタートアップからも相談が相次ぎ、営業支援→業務提携までスキーム化を行い、継続的なパートナーシップを創出
自治体とスタートアップ企業との年間30件のマッチングを実現
注意点
- 丸投げではなく「一緒に仮説検証するパートナー」として活用する
- 目標KPI(アポ数、CVRなど)を明確にしておく
今すぐできる行動チェックリスト
項目 | チェック |
---|---|
ターゲット顧客とペルソナを1つに絞っているか | □ |
SNS・紹介ルートから無料で見込み客に会えるチャネルを使っているか | □ |
自分で5件以上の営業ヒアリングを実施したか | □ |
営業代行含めた外部サポートの検討を始めているか | □ |
まとめ:創業初期こそ「戦略的営業」で最初の顧客をつかめる
スタートアップの創業期は、時間も人もお金も足りない状態が常です。だからこそ、戦略的に「誰に」「何を」「どう届けるか」を設計し、小さく始めて素早く学ぶことが重要です。
自分でやるべき部分と、プロに任せるべき部分を明確に分け、必要な支援を活用しながら最初の顧客を獲得する。それが事業成長への第一歩です。
創業期の営業戦略でお困りですか?
株式会社リアボルドでは、創業初期のスタートアップ向けに「営業戦略の立案」「営業代行」「アポ獲得支援」など、営業に関する包括的な支援を行っています。
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